JR京都駅 伊勢丹にある小さな美術館「えき」に、鏑木清方の展覧会を見に行きました。
私は日本画、特に美人画が好きです。 鏑木清方は、昔は挿絵、後に日本画を描いた人で、樋口一葉や泉鏡花などの本を題材にしたものもあります。 初めて見た絵はネットで検索していた時に発見した「由縁の花」です。 藤棚の下で、振り向き加減に藤の房を手にとっている女性を描いた作品です。 女性の目元、口元がとても清楚で愛らしく、きれいなのです。 鏑木清方の描く女性は、涼しげでおとなしいけど1本芯の通った人、というイメージがあるように思います。 挿絵画家だった頃の絵は、もう少しかわいらしい感じなんですけどね。 目が大きくてほおがふっくらしてました。 アタックナンバーワンの鮎原こずえにちょっと似てるかも(笑) 鎌倉に記念館があるのですが、遠くてなかなか行けません。 なので今回の展覧会はとってもうれしいです。 ちらしになっている絵が「朝涼」です。 長女が庭を散歩している姿をモデルにしたそうで、三つ編みに藤色の着物姿の少女が描かれています。 顔と姿を別のモデルで描くことも多かったとか。 「妖魚」は姿は人魚、つまり上半身が人間で下半身が魚なのですが、他の女性画とちがって可憐な美しさは全くありません。 岩の上に座っているのですが、髪を振り乱して微笑んでいる顔、特に目つきが怖いです。 手では小魚をもてあそんでおり、それがまた恐ろしげです。 裏切ったら怖いのよ~、引きずり込んでしまうわよ~、という雰囲気が伝わってきます。本当かどうかは知らないけど。 美人画家というイメージが強かったのですが、この「妖魚」や泉鏡花の本の挿絵などを見ると、ただきれいなだけではないなぁ。 行ってよかったです。
by nihon-neko
| 2008-01-18 12:48
| 芸術・読書
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