第2回ホラーサスペンス大賞 大賞受賞作です。
怖い話は苦手な私ですが、本屋でなんとなく手に取りました。 前にこの作者の「交渉人」を読んで、なかなかおもしろかったのです。 2日間で一気に読みました。 ちょっぴり後味悪いです。 妻子あるサラリーマンが興味本位に手を出した出会い系で知り合った女性にストーキングされる、というストーリーのせいなのかな。 出会い系にはまるあたりが割と詳細に書かれていて、平凡な人でもこうやってのめりこんでいくんだね、と少し感心してました。 仕事や家庭に特に不満があるわけじゃないのに、見知らぬ女性とのメールがやめられない。 最初はほんのちょっとの好奇心だったのに、だんだんメールを見る頻度が高くなる。 平凡だからこそちょっとの刺激が新鮮だったのでしょうね。 ただ女性の私には、あまり気分いいものではなかったな。 それをのぞくと、なかなか読みやすく、そしてつっこみどころ満載な話でした。 リカが次第にストーカーと化していくのですが、そのきっかけが本間(主人公)が会議中で携帯に出られなかった、というところ。 最初っからキレてましたもの。 もう少しおだやかにそれでいて陰湿さが感じられるが、だんだんとしつこく増していく、の方が怖いんじゃないかなと思ってしまいました。(えらそうに(笑)) そしてリカの異常さが尋常じゃない。 超人かと思うほどの体力、精神力。殺しても死なないしぶとさ。 うーん、ここまでするとやり過ぎかなぁ、と思ってしまいました。 ストーカーというよりは怪物だよ。 目をつけた医師を殺して頭を持ち去ったり、自分の周りを調べていた探偵をバラバラに切り刻んだり・・・ 刑事に拳銃で胸と腹を撃たれても救急車の乗務員を殺害して逃走し、主人公をやはりバラバラにして体を持ち去ったり。 読んで気分が悪くなった方ごめんなさい。 出会い系とストーカーという題材だったら、もう少し精神的な恐怖を追及して欲しかったな。
by nihon-neko
| 2008-08-05 12:39
| 芸術・読書
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